神経言語プログラミングに関するリサーチの概略

Dr Richard Bolstad NLP Trainer, 2008, E-mail learn@transformations.net.nz
PO Box 35111, Browns Bay, Auckland, New Zealand, Freephone 0800-FOR-NLP

Richard and Julia training in Japan

概略

NLPに関するリサーチはまだ初期段階にある。最初にNLP(神経言語プログラミング)という用語が作られたのは1976年で(1930年にアルフレッド・コルジブスキーが使用した「神経言語」という用語が基である)、この分野そのものの歴史は現在たったの30年であり、最重要とされるテクニックのいくつかはここ十年ほどで開発された。1972年、リチャード・バンドラーはサンタクルスにあるカリフォルニア大学のジョン・グリンダー博士の言語学クラスの4年生だった。そのとき、ふたりはNLPを開発し始めたのだ。NLPの豊かさは、ふたりが焦点を当てた人々のネットワークによるところが大きい。NLP開発に貢献した考え方をもつ専門家たちのネットワークの中に含まれるのは;

* ヴァージニア・サティア(家族療法家で、バンドラーが後にメタ・モデルと呼ばれる言語パターンを開発した基になる人物)
* グレゴリー・ベイトソン(システム理論家、心理療法家で、パートナーのマーガレット・ミードはミルトン・エリクソン博士についてトランス・ワークを学んだ)
* ジョージ・ミラー(ストラテジーのためのTOTEモデルを提案した理論家)
* ノーム・チョムスキー(言語学者)
ロバート・スピッツァー(Science and Behaviour Books主宰者であり、フリッツ・パールの研究を出版した編集者)

最初のNLPグループにいたグリンダーとバンドラーの友人たちの中には、ジュディス・ディロージャー、ロバート・ディルツ、レスリー・キャメロン、デーヴィッド・ゴードン、メリー・ベス・メガス、テリー・マックレンドン、その他が含まれていた。『魔術の構造I』は1975年に初めてバンドラーとグリンダーが共著者として出版したものである。

ほとんどのNLP実践者たちは実体験を証拠として、何がうまくいくのかということを信頼していますが、以下の記事は、そういった体験を裏付ける現在有効なリサーチ・データのいくつかを集約したものである。NLPのテクニックの中には異分野で使われリサーチされたテクニックを単純に「モデリング」したものもあり(エリクソニアン催眠と古典的条件付けはその中の主要な二例)、またこれらの分野において、NLPはこういうテクニックの加速学習法である。心理学という分野のリサーチもNLPテクニックの理論的基礎を支持しているが、NLPテクニックそのものはまだ十分にリサーチされていない(その例として上げられるのが「サブモダリティ(従属要素)」と呼ばれる現象である)。NLPが独自に開発したテクニックに関する具体的なリサーチも中にはある。

NLPの五感システム活用モデルとNLPのスペリング・ストラテジー

NLPにより提唱された最も重要な事の一つは、人は特定の五感言語で思考し、これらの思考タイプは考える本人が目を向ける方向を変化させることによりアクセスできるということである。以下の実験がこの概念を支持し、単語のスペリング(綴り字)の記憶法として応用されている。

カナダ、ニューブランズウィックのモンクトン大学で、F.ロワゼル博士が、事前のでたらめな単語テストで決定した44人の平均的な綴り字能力のある被験者を選んだ。実験で指示されたことは、PCスクリーンに出てくるでたらめな単語を暗記すること。44人は実験のために4つのグループに分けられた。

実験直後の結果は、グループ1(左上を見上げていたが、他グループとかかった時間は同じ)は成功率が25%上昇、グループ2は15%低下、グループ3は10%上昇、グループ4は事前テストと同じであった。これは、左上を見上げる(NLPの用語で視覚の想起)ことがスペリング暗記を強化し、ただ単語を視覚化するように指示するよりも2倍効果的であることを示唆している。さらに言うと、右下を見ること(NLP用語で触運動覚的)で、単語の視覚化能力が損なわれている。面白いことに、しばらく時間を置き最終テストを行ったところ、グループ1の点数は継続したが、対象郡、特にグループ4では点数がさらに15%低下した。これはふつうの暗記学習の標準的な落ち込みである。この2グループの単語暗記力の差は、結果的に61%になった。

ユタ大学心理学部のトーマス・マロイは、事前にテストして選んだ平均的綴り字能力の被験者を3グループに分け実験した。ひとつのグループには、左上を見上げるNLPのスペリング・ストラテジーが教えられ、次のグループは音声学と聴覚のルールに従って声に出して発音するストラテジーが教えられ、残りの一つには何の新しい情報も与えられなかった。この実験は、実際にある単語でテストした。再び、視覚想起による綴り字暗記者は25%力を上げ、1週間後もほぼ100%記憶していた。聴覚的ストラテジーを教えられたグループは15%向上したが、一週間後に点数を5%落とした。対象郡には何の改善も見られなかった。

こういった研究は特にNLPのスペリング・ストラテジーや、NLPのアイ・アクセシング・キュー(視線解析)や五感システムの利用やストラテジー全般の概念を裏付けている。
Dilts, R. and Epstein, T., Dynamic Learning, Meta, Capitola, California,1995より。

NLPの五感の表象システム使用モデル

特定のクライアントに関して、どの感覚システムで話をするかにより結果が異なるという主張はマイケル・ヤプコにより試された。ヤプコはカウンセリングに携わる30人の大学院生に3つの別個のトランス誘導テープを聞かせた。各誘導は一つの主要感覚システムの言語(視覚的、聴覚的、触運動覚的)を使用していた。言語における優位な感覚システムが事前に評価されていた被験者は、各誘導後に、筋電図とどのくらいリラックスを感じているかという問診によりトンランスの深さを測定した。両方の測定方法において、被験者は、優位な感覚システムが使用されているときによりリラクックスしていた。
Yapko. M., “The Effects of Matching Primary Representational System Predicates on Hypnotic Relaxation.” in the American Journal of Clinical Hypnosis, 23, p169-175, 1981

ミラーリングとラポール

1995年に、顕著な神経細胞がイタリアのパルマ大学で働いているリサーチャーにより発見された(Rizzolatti et alia, 1996; Rizzolatti and Arbib, 1998)。今その細胞は「ミラー・ニューロン(鏡細胞)」と呼ばれ、人間と同様にサルの前運動皮質に見られる。人間に関しては、ブローカ運動野と呼ばれる特定の領域の一部であり、ここは同じく言語の中枢でもある。細胞は運動活動に関わるが(例えば、手を動かすなどの触運動覚の反応を起こすシステムの一部である)、視覚のインプットにより活性化されるようである。サルが他のサル(あるいは人間)が動くのを見ると、ミラー・ニューロンが活気づく。そうすると、サルは視覚的に観察したのと同じ動きを不随意に模倣しているようである。この不随意の動きは脳により抑えられるが(さもなければ、可哀想なサルは四六時中他のサルの真似をすることになる)、しかし「猿真似」ということばは明らかにこんなところから来ているようだ。

人間が被験者のとき、脳のこの領域が頭蓋貫通磁気刺激(TMS)にさらされると、意識的なコントロールが低下する結果、単に人が物を拾い上げている映像を見せるだけで、被験者は不随意に手を使ってまったく同じ活動を模倣することになるでしょう。この仲間の創造的な活動を模倣する能力は、霊長類の社会的知能の発達において明らかに重要であった。脳のこの領域が卒中などで損傷すると、他の活動を模倣することがほぼ不可能になる。話すことの発達はこの模倣するスキルの結果であることは明白である。さらに、自閉症やアスペルガー症候群がミラー・ニューロンの異常な活動に関わっているという証拠も増加している。この異常な活動の結果、自閉症者は他者の内的世界を理解することが難しく、オウム返しのように話を繰り返したり、他の人の動きを恣意的に模倣する傾向がある。

ミラー・ニューロンは同じように感情を現わす顔の表情にも反応するため、人は観ている相手の感情を直接体感できるのである。ウィリアム・コンドンは会話を収録したビデオを徹底的に研究し、このパターンを確認した。うまくいっている会話において、笑顔またはうなずきといった動きは、1/15秒内に他者により不随意にマッチされている。会話が始まって数分以内に、話をする声の大きさや高低や速さが互いにマッチされる。また、会話が続いていくうちに姿勢さえも調整され、人々は互いにマッチし、またはミラーリングしているようだ(Condon 1982, p 53-76)。相手の顔の表情やその他の非言語に合わせて調整するうちに、人は相手の使用しているのと同じ脳の活性化パターンを利用している。こうして、ミラー・ニューロンが反応し、相手の活動を模倣すると、人は相手の感じていることを感じるのだ。これは、リサーチャーが「感情の感染」と呼ぶもので、NLPではこれをラポールと言う。

Bandler, R. and Grinder, J. Frogs Into Princes, Real People Press, Moab, Utah, 1979
Bolstad, R. RESOLVE: A New Model Of Therapy Crown House, Bancyfelin, Wales, 2002
Condon, W. S. "Cultural Microrhythms" p 53-76 in Davis, M. (ed) Interactional Rhythms:Periodicity in Communicative Behaviour Human Sciences Press, New York, 1982
Fadiga, L., Fogassi, G., Pavesi, G. and Rizzolatti, G. “Motor Facilitation during action observation: a magnetic stimulation study” p 2608-2611 in Journal of Neurophysiology, No. 73, 1995
Hatfield, E., Cacioppo, J. and Rapson, R. Emotional Contagion Cambridge University Press, Cambridge, 1994
Palubeckas, A.J. “Rapport in the therapeutic relationship and its relationship to pacing” Dissertation Abstracts International 42(6), 2543-B 2544-B, Boston University School of Education, 127pp, Order = 8126743
Rizzolatti, G., Fadiga, L., Gallese, V. and Fogassi, L. “Premotor cortex and the recognition of motor actions” p 131-141 in Cognitive Brain Research, No. 3, 1996
Rizzolatti,G. and Arbib, M.A. “Language within our grasp” p 188-194 in Trends in Neuroscience, No. 21, 1998
Sandhu, D.S., Reeves, T.G. and Portes, P.R. “Cross-cultural counseling and neurolinguistic mirroring with Native American adolescents” p 106-118 in Journal of Multicultural Counselling and Development, Vol 21, No. 2, April, 1993

NLPの実体験/分離体験モデルとNLPの恐怖症/トラウマのプロセス

NLPの分離体験モデルを基盤にした恐怖症治療の成功を裏付ける小規模の研究がいくつかある。それをここに紹介する。この場合の取り組みは、10分ほどで、NLPプラクティショナー・コースで教えられる標準的なものである。
Denholtz M.S., and Mann, E.T., "An automated audiovisual treatment of phobias administered by non-professionals" in the Journal of Behaviour Therapy and Experimental Psychiatry (6, p 111-115), 1975.
テクニックの活用に関する最初のレポートは何らかの利点があるかもしれないことを示唆している。
Allen, K., "An Investigation of the Effectiveness of Neuro Linguistic Programming Procedures in treating Snake Phobias" (in Dissertation Abstracts International 43, 861B), 1982.
ヘビ恐怖症の36人の大学生に関する研究は、NLPのプロセスが行動的には集中系統的脱感作法と同じぐらい作用の上で成功しており、体験者の主観ではより説得力があったことを示した。
Einspruch, E. “Neurolinguistic Programming in the Treatment of Phobias” in Psychotherapy in Private Practice, 6(1): 91-100, 1988

マイアミ大学の恐怖症トラウマ・クリニックでのこの研究において、31人の恐怖症患者がグループ・セラピー、17人が個人セラピーを受けた。被験者はセラピー前後に問診表をくばられていたが、その問診表が、恐怖症を持つ患者の不安感や抑うつの症状に対してこのテクニックがうまく働きかけていることを示唆している。
Koziey, P., and McLeod, G., “Visual kinesthetic Dissociation in Treatment of Victims of Rape” in Professional Psychology; Research and Practice, 18(3); 276-282,1987

アルバータ大学の研究は、十代のレイプ被害者の不安感の減少を示し、トラウマに関してこのプロセスの使用を薦めている。この方法に関して、デーヴィッド・モス博士は、英国中西部警官隊の70人、ロッカビー飛行機墜落事故のような大惨事を目撃した者たち全員を被験者にして予備的研究をした。この被験者中19人がPTSDと診断された。トラウマ体験から治療を受けるまでの期間は6週間から10年とばらついていた。しかし研究参加者の全員が平均3セッション後に否応なく侵入する記憶やPTSDの症状から完全に解放されたと報告した。ほとんどの人たちにとって、問題解決は1セッションで十分だった。その後の追跡調査が3ヶ月から2年におよび行われ、その間、結果は維持されていた(Muss, 1991)。この種の成功は心理療法分野においてほぼ前例がないといっていい。さらに大事なのは、NLPの基本的な理解を持った人なら誰にでもなしえることであり、類希な専門家の魔法のような才能は要らないのである。
Muss, D. “A New Technique For Treating Post-Traumatic Stress Disorder” in British Journal of Clinical Psychology, 30, p 91-92, 1991
Muss, Dr D. The Trauma Trap. Doubleday, London, 1991

サブモダリティ(従属要素)の活用

NLPテクニックの多くは、主観者が使う内的な画像、音、身体的反応の特定の質(サブモダリティと呼ぶ)を変化させることが基本になっている。これらに関するリサーチはNLPが発達する以前に起こりつつあったことで、本の巻末に要約されている。
Gordon, D., Therapeutic Metaphors, Meta, Cupertino, California, 1978
例えば、クライアントがプラシーボを見るときのサブモダリティ(錠剤のパッケージの色がどんな色かなど)は結果に影響するだろうということを研究が示している。他の研究では、一つの感覚システムにおけるサブモダリティの変化は自動的に他の感覚システムの変化や感情の変化に結びつくだろう(ということは、心の画像の見た目が変われば、感じることも変わるだろう)ということを示している。例として、青くペンキを塗りなおしたオフィスで働く事務員たちは、温度が変らなかったとしても、寒いと文句を言うだろうが、黄色に塗りなおせば文句がなくなるだろう。これらの反応は生理的作用であり、また約80デシベルの音は胃の収縮を37%減少させるのだ(これは「恐怖」を感じたときと類似しており、同じように知覚されることを、スリラー映画の作家なら知っているというわけである)。
Buckalew, L.W., and Ross, S. ,”Relationship of Perceptual Characteristics to Efficacy of Placebos” in Psychological Reports 49, p955-961, 1981
Berry, P. “Effect of Coloured Illumination Upon Perceived Temperature” in Journal of Applied Psychology, 45(4) p248-250
Smith, E.L. and Laird, D.A., “The Loudness of Auditory Stimuli Which Affect Stomach Contractions In Healthy Human Beings” in Journal of the Acoustic Society of America, 2, p94-98, 1930

スウィッシュは多岐にわたり応用できるサブモダリティのテクニックである。このテクニックは、つめを噛むといった強迫行為(Wilhelm, 1991)、あるいはかんしゃく的な暴力(Masters et alia, 1991)の解決に対して、不安感への対処(Andreas and Andreas, 1992).と同様に使われ成功している。
Wilhelm, F.A. "Submodality change and nail chewing. Empirical test of an imaginative method ('Swish')"
Masters, B.J., Rawlins, M.E., Rawlins, L.D. and Weidner, J. "The NLP Swish Pattern: An innovative visualising technique" p 79-90 in Journal of Mental Healthy Counselling, Volume 13, No 1, January 1991
Andreas, S. and Andreas, C. “Neuro-Linguistic Programming” p 14-35 in Budman, S.H., Hoyt, M.F. and Friedman, S. The First Session In Brief Therapy Guildford Press, New York, 1992

アンカリング

正統派の心理学文献では、アンカリングというNLPのテクニックは100年前にイヴァン・パブロフ(餌を与える前にベルを鳴らし再びベルを鳴らすだけで犬の唾液を誘発させた)が発達させた古典的条件付けとして知られている。古典的条件付けの初期研究のひとつの中で、11ヶ月の男の子(アルバート)が白ネズミを見せられた。最初に、アルバートはネズミが好きで、いっしょに遊びたかったのだが、手を伸ばすたびに、彼の後ろで研究者が大きな音を立て、彼を怖がらせた。そのような音を5回も聞くと、アルバートは恐れをネズミにアンカリングしてしまい、ネズミを見るたびにパニックになってしまった。その後、研究者はその状態を同様にして取り除いた(しかし、明らかにアルバートにとってもネズミにとっても倫理的にひどい研究である!)。

ドイツで発表されたリサーチ研究(Reckert, 1994)の中で、ホースト・レッカートはこの単純なテクニックを使い1回のセッションで学生のテストに対する不安をどのように取り除くことができたかを説明している。他の研究でも、ジョン・クラルデルはアルコール依存症(Craldell, 1989)のアダルト・チルドレンに役立つ「自己ケアの状態」へアクセスするためのアンカリング使用について語っている。また第三の研究で、メアリー・タルゴットは学習障害のある子どもをサポートする(Thalgott, 1986)ためのアンカーの使用を語っている。
Craldell, J.S. "Brief treatment for adult children of alcoholics: Accessing resources for self care"p 510-513 in Psychotherapy, Volume 26, No 4, Winter, 1989
Thalgott, M.R. "Anchoring: A "Cure" For Epy" p 347-352 in Academic Therapy, Volume 21, No 3, January 1986
Reckert, H.W. "Test anxiety… removed by anchoring in just one session?" in Multimind, NLP Aktuell, No 6, November/December 1994

アンカリングという名目ではないが、革新的な形で応用されたアンカリング原理の活用に関する数々の例の中でも、ひときわ顕著なものがある。それは、エレン・ランガーのハーバード大学で行われた老齢者(75-80歳)を2グループに分けて行われた研究だ。5日間、比較対照の2グループの男性たちは田園の中にある監視された修養所で生活した。一グループは過去について考えるような一連の課題に取り組んだ(自叙伝を書く、過去について話し合うなど)。他方のグループは、本人たちが実際に過去のとき(1959)にアンカーされる一連の課題に取り組んだ。このグループの人たちが書いた自叙伝は1959年までのもので、その当時を「今」として表現し、1959年の映画を観て、ラジオからは1959年の音楽が流れ、生活の中にあるのは1951年当時に有効だったものだけである。この5日間の前後に、両グループは老化に関連するたくさんの評価基準が調査された。最初のグループは、これらの評価基準に関して変化はなかったか、または実際後退していたが、第2グループは、関節の柔軟性、視力、筋肉の締まり具合など肉体的健康面で劇的に向上しており、IQテストも同様であった。第2グループの人たちは、1959年代の見るもの聞くものがアンカーになって50歳の状態に戻されたのだ。
Langer, E.J. Mindfulness, Addison Wesley, Reading, Massachusetts, 1989

NLPのアレルギー・プロセスは以下の通りであるが、このアンカリング原理を利用しているリサーチされているNLPテクニックの一例である。

NLPアレルギー・プロセス

リサーチの基盤はNLPという分野外のものだ。アレルギー反応は古典的条件付け(NLPではアンカリングと呼ばれる)により生成しうる(それゆえに取り除ける)といくつかの研究が示唆している。これらの研究において、化学反応を誘発するアレルギーが例えばネズミに与えられ、同時にカンフル剤の匂いを放つ。すると、次のセッションで、カンフル剤の匂いがアレルギー反応を誘発するだろう。
“Pavlovian Conditioning of Rat Mucosal Mast Cells to Secrete Rat Mast Cell Protease II” in Science, 6 January 1989, p83-85

NLPテクニックそのものに関する小規模な研究もまた裏付けになる。ジュディス・スワック博士はさまざまなアレルギーを持つ10人を研究した(猫、ダスト、花、たばこ)。10人中7人が、10分のアレルギー・プロセスにより、完全に反応しないという結果を出した。2年の間に結果は後退し、7人中3人はいくらかのアレルギー反応を取り戻した。興味深いことに、アレルギー・プロセスが最初はうまくいかなかった3人中2人はスワック博士がNLPの他のテクニック(タイムライン・セラピー、コンパルジョン・ブロウアウト、そしてトラウマ・プロセス)を行い、アレルギーから解放された。アレルギーに対処するNLPの成功率は100%に近いかもしれないが、他の介入をしない10分間のプロセスそのものの成功は70%、長期的追跡調査では40%である。
Swack, J.A., “A Study of Initial Response and Reversion Rates of Subjects Treated With The Allergy technique”, in Anchor Point, Vol 6, No2, Feb 1992

言語パターンの活用

ユタ州立大学のトーマス・マクロイ博士は31家族の詳細な研究を実施し、家族のメンバーは自分の家族に関する満足度を計るように依頼された。次に、ファミリー・セッションが各家族に行われ、その様子が録音された。その音声から、150の特定メタモデル・パターンの発生が分析された。家族メンバーの満足度が低い家族において、メタモデル・パターン、特に省略と不特定名詞が顕著に多く使用されていた。この研究は、メタモデル・パターンの正当性を調べることは社交的満足感を達成する能力を強化する重要な方法であるという概念を裏付けている(Macroy, 1978).。
Macroy, T.D. "Linguistic surface structures in family interaction" in Dissertation Abstracts International, 40 (2) 926-B, Utah State University, 133 pp, Order = 7917967, 1978

オレゴン大学のドナルド・モインは保険の営業員たちの録音された45分間のカセットを研究した。その中には営業成績トップの者から平均的な者まで含まれていた。かなり成功している営業員のほうが断然、埋め込まれた示唆、等価の複合観念、読心術、メタファー(隠喩)、ペーシング、可能性の様相操作子を使っていた。この実際には漠然としていて示唆的な言語は、他者を変化させるスキルの一部だった(Moines, 1981)。
Moine, D. "A psycholinguistic study of the patterns of persuasion used by successful salespeople" in Dissertation Abstracts International, 42 (5), 2135-B, University of Oregon, 271pp, Order = 8123499, 1981

ルイス・バクスター博士(1994)は、強迫観念障害のクライアントは脳内の尾状核内の神経ネットワークの活動を上昇させていたことを明らかにした(脳のPETスキャンに示された)。プロザックのような薬はセロトニン値を上げるため、尾状核の活動が低下する。バクスターは、クライアントが自分自身に対して単純なリフレームを繰り返すと、セロトニンの値を上げ、同じように尾状核の活動低下をひき起こすことを、PETスキャンが示した。
Baxter L. R. “Positron emission tomography studies of cerebral glucose metabolism in obsessive compulsive disorder.” Journal of Clinical Psychiatry, 1994, 55 Supplement: p 54-9.

催眠と無意識とのコミュニケーション

一般的な催眠法やエリクソニアン催眠法の結果に関するリサーチは相当量に昇る。NLP実践者たちはそのリサーチに貢献してきた。例えば、リン・ティンパニー(of Transformations International Consulting & Training Ltd, New Zealand)が実施した妊婦12人のつわりと不安感に働きかける催眠活用の1セッションの研究も、そのよい例と言える。12人中、2人が抱えていた眠れないという問題がセッション後に消え、吐いていた8人中7人が顕著な改善に気づき、また2人については気分の悪さと吐き気を四六時中感じていたのが、その時間が20%に軽減した。
Timpany, L., “A Study of The Effectiveness of Single Session NLP Treatment For Pregnancy Treatment” in Anchor Point, June 1996, p18-19

催眠療法に関する文献は、さまざまな分野における催眠の活用の顕著な成功例を綴っている。以下参照。
Crasilneck, H.B. and Hall, J.A. , Clinical Hypnosis: Principles and Applications, Allyn and Bacon, Boston, 1985

研究が、催眠法は「不治の先天的状態」と考えられてきたことをくつがえすこともあることを示している。例えば、1952年に発行された英国医療専門誌に掲載された先天性魚鱗せん様紅皮症の16歳の少年がいる。彼の皮膚は関節で洩れた体液からなるざらざらした層で覆われていた。催眠後1週間で、身体の小さな部分がきれいになり、その成果が2週間かけて身体全身へと広がった(above text, p376)。人の無意識の心とコミュニケートする能力を明確に示している実演の一つで、D.チークが3000人の完全に麻酔のかかった患者を「はい」と「いいえ」の合図として手を動かすように誘導した。明らかに意識的な知識は伴われていない。
Cheek, D., “Awareness of Meaningful Sounds Under General Anaesthesia.” in Theoretical and Clinical aspects of Hypnosis, Symposium Specialists, 1981

タイムライン・セラピー?と、喘息のような医療的状態の処置

NLP を利用した喘息の処置に関する1年がかりのリサーチ研究(May 1993-May 1994)がデンマークで実施された。結果は、すでに欧州の数々のコンファレンスで発表されてきた。その中にはデンマークアレルギー学コンファレンス協会(August 1994)、欧州呼吸協会会議(フランス、ニース、October 1994)がある。研究は、デンマーク、へミングの一般医ヨルゲン・ランドとNLPマスター・プラクティショナーのハンヌ・ランドにより実施された。患者たちは8ヶ所の一般診療所から選ばれた。30人がNLP介入グループに含まれ、16人が対照群となり、全員が薬物療法を含む基本的な医療ケアを受けた。ほとんどが以前NLPについて耳にしたことがなく、多勢がまったく信頼していないか、怖れていた。NLPを実施するというモチベーションは全般的に低かったのだ。介入グループは初日にNLPとタイムライン・セラピー?の説明を受け、その後3-36(平均13)時間のNLP介入を受けた。NLPが主に焦点を当てるのは喘息ではなく、その人たちが日常生活をどのように過ごしていたかに絞られた。利用された介入は以下;

結果は、人の生活全般と喘息に作用していた。患者は変化について、「もっとオープンになった」「驚くべき強さと自信が得られた」「新たな人生」などと主観的に説明する傾向にあった。成人の喘息患者の肺活量は年間平均50ml減少する傾向にある。これは対照群で起こった。が、NLPグループはやがて平均200mlも肺活量を増加させた(1年で4年分の減少を挽回したようなものだ!)。ピークフローの日々の変動(不安定な肺機能の指標)は30-40%で始まった。対照群は、25%にまで減少したが、NLPグループの落ち込みは10%以下だった。対照群の睡眠障害は70%で始まり、30%まで落ちた。一方NLPグループは50%で始まり、ゼロまで落ちたのだ。NLPグループにおける喘息の吸入器や急性薬物投与はほぼゼロにまで落ちていた。ハンヌ・ランドは、このプロジェクトが示唆することは喘息管理をはるかに超えていると指摘している。「この統合された働きかけの原理はいかなる病気を持つ患者の治療においても価値があり、次なるステップはこのモデルに関して医療スタッフをトレーニングすることになるだろうと考えている」と彼女は言っている。
NLP Creative Kommunikationa, Bredgade 11, DK 7400 Herning, Denmark

心理療法におけるNLPの活用

心理療法におけるNLPの活用が、1996年にオーストリアのウィーンでマルティナ・ゲンゼーメドリッシュとピーター・シュウツにより取り組まれた。55人のセラピー・クライアントのテスト例とウェイティング・リスト上の60人の対照群クライアントが、症状のパターン、年齢、家族環境、教育レベル、セラピー経験により合わせられた。テスト・グループに、37人のNLPテクニックの全般(リフレーミング、アウトカム設定、パーツ・ワーク、メタ・モデル、メタファー、トランス、タイムライン・ワーク、アンカリング、信念の書き換え、サブモダリティ変換、ストラテジー、トラウマ-恐怖症プロセス)を使うNLPマスター・プラクティショナー(男性22人、女性15人)が働きかけた。クライアントはセラピー前、セラピー後、そして6ヵ月後の追跡で問診され、評価を受けた。評価では、個人的な不快感の発生、臨床的な身体症状、ストレス管理のために使用される対処ストラテジー、コントロールの所在(人が自分の人生をコントロールしていると感じているかどうか)、クライアントおよびセラピストによるセラピーに関する主観的な評価をチェックした。診断(ICD9)は統合失調的影響やその他の精神障害から、アルコール依存、内因性うつ病、心身症、PTSDまであった。このような障害を測定すると、最初は対照群よりテスト・グループの方が深刻であった。平均20週間におよび平均12(1-48)セッションの治療が施された。

治療後、NLPセラピーを受けた1.95のクライアントは何の違いも感じず、38.9%がよくなったと感じ、59.3%がかなりよくなったと感じた。悪くなったと感じた人は誰もいなかった。一方、対照群では、47.5%が違いを感じず、29.5%がよくなったと感じ,6.6%がかなりよくなったと感じた。そして、9.8%の対象群が悪くなったと感じ、4.9%がかなり悪くなったと感じていた。6ヵ月後の追跡調査では、セラピーを受けた52%のクライアントがかなりよくなったと感じ、28%がよくなったと感じ、12%は変化を感じなかったが、8%悪くなったと感じていた。その一方で、目標達成がうまくいった治療であったと評価したセラピストは49%、まずまずの達成だったと評価したセラピストは47%、成果は乏しいかまったくないとしたのが4%であった。

セラピー後、NLPを受けたクライアントは自分の人生をコントロールしていると認識している率が高まり(その差10%)、薬剤の使用が減少し、ストレスのある状況に対してよりうまくいく対処法を活用し、不安感、攻撃性、神経症的な思考、社会不安、強迫観念的な行動、抑うつを減少させていた。

よりコントロールができていると感じる人生の側面を設定し、神経症的な思考、攻撃性、抑うつ、不安感を減少させる。リサーチは、対照群でもいくらかのポジティブな変化が起きているが、セラピーによるものではないだろうということを示した。その中には心身症の症状、社会的孤立感、神経症的思考などの軽減が含まれていた。全体を通して、セラピーの結果として33症状のうち25ケースにポジティブな変化が起き、両グループにおいて3症状にポジティブな変化が起き、5症状には重要な変化は何もなかった。

セラピーを受けたグループの中に、興味深い変化がいくらかあった。症状測定の63.15%に関して、35歳以上よりも35歳未満の人たちに変化が著しかった。症状範囲の40%において、男性が女性よりも改善していた(特に人生をよりコントロールしていると感じている、神経症的思考や攻撃性や抑うつや不安感の軽減という面において)。より長期のセラピーを受けた(1-10セッションと11-48セッションを比較)クライアントは、セラピー終了時により効果を得ていた(特に強迫観念や心身症的行動からの解放)が、6ヵ月後の追跡調査での成果の喪失もより多かった。

ビジネス・コーチングにおけるNLPの活用

ビジネス・コーチングにおけるNLPの活用に関する研究は2002年にトライガイ・ルース博士によって実施された。コーチング後(通常1セッション)6-24ヵ月でビジネス・クライアントの追跡調査をすると、仕事の業績や個人的な行動や人生の質に反映された利益は劇的であり、その期間維持されていたことがわかった。ルース博士は、マネージメント・リサーチは常にこの三つのアウトカム・タイプの相関関係を強調すると指摘している。多くのビジネス・クライアントは、個人の問題と見なされることに働きかけるという選択をし、それがビジネスの達成に深遠な影響を及ぼしていることを彼は発見した。飛行恐怖症によりキャリア上の全ての決断が左右されていたクライアントや、鳩恐怖症により公園を歩く必要性を避けてビジネス・ミーティングを設定していたクライアントの例をあげた(Roos, 2002, p 4)。特定の問題に関する彼の取り組みの効率性の一例として、博士は禁煙を望んでいる25人のクライアントに働きかけた(Roos, 2002, p 91)。45分間のたった一回のセッション後に19人が喫煙をやめ、2セッションのあとに一人が止めた。24ヵ月後の追跡調査で、最初の25人中5人だけが再び喫煙を始めていたので、成功率は75%。通常これより長期にわたる喫煙セラピーのベスト結果の2倍の成功率である。
Roos, T. Mental Coaching, Trafford Publishing, Victoria, Canada, 2002

NLPトレーニングの効果

1990年および1992年に出版された心理学報告書のNLPプラクティショナー・トレーニングの効果に関するリサーチは、参加者が自己コントロールできているという感覚を高め、人生に対する不安感を減少させ、さらに高い「自己実現」を達成することを示している。

実際に、ニュージーランドにおけるTransformations International Consulting & Training Ltdによるトレーニング後6-9ヵ月のNLPプラクティショナーの追跡調査により明らかにされている。現実においてトレーニングの成果を評価する時間を経て、10人中8人のプラクティショナーがトレーニングは人生における最も見返りの高い経験の一つと評価した。これは、高学歴グループから出た強力な意見である。95%がキャリア・ゴールを達成する能力を向上させたと言い、90%が特定の挑戦または問題に取り組む助けになったと言った。そして、100%が時間と資金投資の価値があったと評価した。さまざまな分野から上がってきたレポートが以下にいくつかある。

「真に変容する体験だ。学習は苦にならない。コースの全ての面が緻密に計画され、見事にセンスよく実施された」トリッシュ・マーフィット、オークランドの高校教師。
「テクニックがすばらしく功を奏したため、授業外で生徒たちが学びに来るほどだ。今では、スタッフとのトレーニング・セッションでスキルを共有している」ジュリー・マックラッケン、クライストチャーチの教師。

「私がずっと探していた統合的な教義だった」ジャナイン・ベイリー博士、ネルソンの一般医。
「さまざまな人生を送る万人にふさわしい人生を変えるもの」マヴィス・ジーン・ベイノン、クライストチャーチの看護士。
「NLPは現代医療に関わる専門家たちに効果的な保健に欠かせないコミュニケーションの重要なスキルを提供する」スザンナ・ケント博士、クライストチャーチ公立病院緊急医療。

「コンピュータ業界の企業で25年勤務していた。NLPのトレーニング後、私は12人の社員が6拠点で働いてくれる職業訓練ビジネスを設立し、成功している。NLPのすばらしいストラテジーがなければこの成功はなしえなかっただろう」ウェリントンのマネージャー。
「これらのスキルは値段がつけられないほど価値がある」アンソニー・ウィフトマン、ウェリントンの医療営業。

「コースト・トゥ・コースト・レースの前にNLPワークをやったことに大いに感謝です。私の思考を完全に180度ひっくりかえし、堅忍不抜で、決然たる態度に変えてくれた。レース当日は信じられないほど楽しく、軽やかだった」スティーヴ・ガーニー、クライストチャーチの一流トライアスリート。

「NLPトレーニング後、以前なら自信の持てなかったような多くの状況に対処するときも自信を感じる」アズラ・ムラオメロヴィック博士、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの精神科医。
「私のキャリアが軌道に乗り始めました。人の恐怖症を取り除ける、過去のトラウマを解放できる、摂食障害を止められる、自暴自棄の感覚を消せる、自尊感情を高められる、人生の目的意識を膨らませる、その他のことができるとは、何と言う贈り物だろう」ジェフ・ソウンダーズ、クライストチャーチの精神科医。

まとめ

以上の研究は科学的な「証拠立て」となるほど規模は大きくない(D.チークの3000人の無意識患者の手の合図は例外かもしれない)。しかし、さらにリサーチを広げていく理由とNLPを実験的に利用する土壌を私たちに提案している。状況は、エリック・アインスプラックとブルース・フォーマンが見た1985年のNLPに関する以下のリサーチ批評より少しよくなっているだけだ。「多くのスキルのあるNLPプラクティショナーは、このモデルがかなり効果的であることを示す臨床データをたくさん持っている。こういうプラクティショナーたちがデータを提示したならば、臨床的な評価が得られるかもしれない」
Einspruch, E.L., and Forman, B.D., “Observations Concerning Research Literature on Neuro-Linguistic Programming”, in Journal of Counselling Psychology, Vol 32, 4, p589-596, 1985